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葬儀費用を出しても相続放棄できるか?
2014-08-06
こんにちは、司法書士の眞下です。
8月ももう6日ですね。毎月ブログを15回以上更新しようと思っているのですが、月初めは忙しかったらまだ25日あるし、と思って書かないですね。またペースをあげていきたいと思います。
さて今日は葬儀費用と相続放棄の関係です。
親の借金が多くて相続放棄をしたいんだけど、葬儀は行いたいが、葬儀費用を相続財産からだしてもいいかということをたまに聞かれます。
これは相続財産を処分すると単純承認になり、相続放棄ができないのではないかという疑問からきます。
まず葬儀の際、香典や弔慰金がある場合は、遺族に対し金銭などを贈与するという意味がありますので、香典等で葬儀費用をまかなえるのであれば、問題ありません。
次に香典などでは葬儀費用に足りない場合相続財産から葬儀費用を支出しても良いのでしょうか?
この問題について、葬儀費用を相続財産から支払った場合、身分相応の、当然営まれるべき程度の葬儀費用であれば、単純承認には当たらないとされています(大阪高裁平成14年7月3日決定参照)。
身分相応の葬儀とは不必要に豪華な葬儀は当然含まれないと考えられます。
必要最低限の質素な葬儀であれば、相続財産から支出しても、相続放棄の単純承認に当たらず、相続放棄ができると考えられます。
一般的な葬儀代は200万円と言われているので一つの基準にはなりますが、相続放棄できるかどうかは司法書士などの専門家に一度相談しましょう。
また、葬儀費用に支出した明細書・領収書などはきちんと保管しておくようにしましょう。