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中国や韓国の戸籍と相続登記(相続)
司法書士の眞下です。
不動産会社を見ていたら、ハトやウサギのマークが貼ってあることに気づきます。
ハトやウサギのマークにはどんな意味があるのでしょうか?
不動産を仕事として扱うには、不動産という高額の商品を扱うので、保証金を供託所という役所に納める制度になってます。その保証金の金額はナント「1000万円」です。
不動産業をこれから始めるというのに「1000万」という大金は払えない人が大半ですので、保証協会に加入する方法があります。保証協会に加入すれば営業保証金として納める金額は60万円で済みます。
その保証協会が2つあり全国宅地建物取引業保証協会と不動産保証協会です。
全国宅地建物取引業保証協会(通称:全宅)はハトマークで、全日本不動産保証協会(通称:全日)はウサギマークです。
どういう違いがあるかというと、ウサギの方が入会する際の金額が安く、ハトの方が免許取得から営業開始までの手続きが早いという違いがあるようです。
街の不動産屋さんのハトやウサギのマークに注目してみるのも面白いかも知れませんね。
さて、本題の近隣諸国の戸籍制度について書きます。
まず戸籍とは何かをもう一度復習しておきましょう。
戸籍とは、政権が社会を把握するために、国民を「戸」という家族集団単位で登録するために作られたものです。
なので、そもそも家族単位という考え方がない欧米諸国にはなじまない制度で、現在戸籍は日本と中国にしかありません。
では、中国の戸籍はどのようなものでしょうか。
日本の戸籍とは異なり、時代により形式が変化していっており、現在でもいくつかの種類があるようです。その中には国だけが把握しており、第三者だけでなく本人にも非公開のものもあるようです。
次に韓国の戸籍制度はどうでしょうか。
韓国も歴史とともに戸籍制度は変わっていき、平成20年に戸籍制度は廃止され、「家族関係登録簿」という個人単位の登録方法になりました。
現在は登録事項証明書として、いくつかの証明書に分けられ、「家族関係証明書」、「基本証明書」、「婚姻関係証明書」、「養子縁組関係証明書」の証明書を発行してもらうという制度になっています。
台湾には戸籍制度が現在もあるようです。
日本では戸籍管理等は市区町村役場が行っていますが、台湾では国が管掌し、戸政事務所という戸籍を専門に取り扱う役所が行っています。戸政事務所は、ほぼ市単位の地方自治体毎に配置されています。 現在の台湾戸籍は、全国的にコンピュータによるオンライン管理がされており、日本と異なり、違う戸政事務所の管轄の戸籍謄本も取得が可能です(参考HP)。
司法書士の業務としては、日本に不動産を持っている外国人の方が亡くなられた際の相続登記のときにこのような各国の戸籍又は戸籍に似た制度の知識も必要になります。